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中国遼寧省の経済特区・大連市を訪ねて<その①> (2015.08.07)

中国遼寧省の経済特区・大連市の商業施設と工場、家族経営農業を訪ねて<その①>

中国の改革開放と共に、経済特区の指定を受けた大連市は、「省」クラスの自主権を持つ都市(副省級都市)です。-2000年当時は人口320万人余だったのが、今は総人口600万人。(市内の区部だけでも210万人余)参考までに、横浜市の人口が368万人(2010年)であることから経済特区・大連市の規模がうかがえます。 私たちの大連滞在は僅か2日間ですから、多くを知り得た訳ではありませんが、見聞の一端をレポートしてみたいと思います。

全労連・全国一般一般合同労働組合執行委員長 梶 哲宏

《労働者の賃金と、食料・主食米などの価格》

中国では最賃は非課税、標準的労働に対して経営者は16万円相当を負担

大連市政府通達の最低賃金は、月1,600元(3.2万円)で、課税はゼロです。
他方、一般的な技能者⁼例えば経理などの技能を持つ標準的な労働者の採用賃金で見ると、約4,000元(月8万)といいます。しかも使用者はこの標準労働者を雇うのに月当たりで別途4,000元(8万)程度の社会保険(年金、医療、失業など6種類)の負担金を上納する義務を負うことになるそうです。(機械製造の中小工場の経営者の方々の話より)従って、普通の技術労働者を雇うのに要する月々の人権費用は、日本で労働者を非正規で雇用するのと同じ程度の費用がかかり、人件費はこの点ではあまり違わないレベルにまでなっていると言えます。
この賃金を生活物資との関連を日中で比較してみるとどうか。中国大連では、月4,000元の労働者の生活は底辺生活ではなく、現代中国では社会で中間層を形成し得る生活レベルと思われます。

食料品の価格は日本の4分の1

日本の地場の小型スーパーマーケットのような規模ですが、大連市区部における小売商業施設の価格を見学したところ、物価はおおむね日本の4分の1か、それ以下という印象でした。 たとえば、

  • すいか 500g2元=40円(日本ではカットすいかで250円~300円)
  • さくらんぼ 500g10元前後=200円位
  • 味付け食パン 日本の4分の1程度の価格で店頭に並んでいました。

しかし、主食の米の価格で見ると少し様子が違います。日本で普通に売られている短粒種の標準的な米は、500g10元=200円、これは10㎏だと200元=4,000円になります。日本のスーパーマーケットなどで売られているコシヒカリなどに近い価格です。
米の小売価格から推測すると、中国・大連では日本に比べて米作農業の労賃がより正当に評価されている印象を受けました。
もちろん、大連の小売市場には、同じ米でも白濁・割米(日本のくず米のようなもの)を含む米も大量に販売所にありました。これは500g2.5元=50円(10㎏概算で1,000円相当)です。
同行の農業経済の研究者の方の話しによると、中国では農作業の過程が日本のようにこまやかでないため、この種のものが大量に産出されるのかも知れませんが、現地では米飯はふつうは炒飯か、味付御飯、粥などで食されるので、これで事足りるのだろうと思われます。
従って、最低賃金などでの生活者にとっては、充分にこのレベルの米が食に供するチカラになり得るものと思います。もちろん、大連にも有機栽培の上級米・“緑米”というのが並んでいますが、こちらは現地価格で10㎏1万円相当する高いものでした。

日本の最低賃金や農業労賃は中国と比較して相当にひどい状態?!

中国の普通米の小売価格を見ながら思ったことは、どうやら、米作りの労賃から考えてみて、日本の農家の扱いは中国に比べてあまりにひどいというのが見えてきました。
さらに、日本の労働者の生活は、非正規化によってどんどん賃金を切り下げられ、中国の特区の労働者の生活に追い上げられてきているという印象を受けました。

こうして2日間という短時間に知り得た範囲でしかないけれど、日本と中国大連の比較をしながら見学してきました。中国の最低賃金、そして標準的労働者の生活と、農産物・食糧の価格からみて、家族農業の労賃の扱いがどうなっているのか等について、日本の最低賃金や標準的労働者の生活と農家の米・野菜づくりの労賃が価格にどう反映しているかを、色々と比較して考察してみたいと思います。

(つづく)

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