北東亜細亜共同体論

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愚民化政治の横行 (2025.07.27)

 

愚民化政治の横行

 

  • 参院選は市場原理主義政策を争う選挙だった

 先日の参院選の結果は、国民を愚民化する政党の勝利ではなかったか。それは、各党が、今後の日本の社会を、どの方向へ向けて進めるべきかという政策を示し、国民に対して賛同を求め、そのための力を求める選挙ではなかった。

 そうではなくて、この選挙は、各党が目先の利益だけを示し、どの政党の政策が、最も目先の利益を多くできるかを、国民に判断してもらう選挙だった。

 鈴木宣弘教授が喝破した「今ダケ・・・」という市場原理主義政策の競争だった。

 これでは、日本の針路を誤るだろう。

 

  • 愚民化政治は日本の針路を誤る

 こうした中で、国民の多くは、今の利益さえ多くなればいい、最も多くするのはどの政党か、という尺度で投票した。

 いくつかの政党は、SNSなどを使って、わが党の政策こそが、今の利益を最も多く増やせる、と主張した。そうして、国民に賛同を求めた。

 そうした選挙に、2つの政党が成功し、議席数を大幅に増やした。TVなどの報道機関も、こうした浅はかな選挙を批判することもなく、片棒を担いで面白おかしく報道した。

 こうした選挙だったから、将来を見据えた基本政策など、どうでもよかった。将来に大きな影響を及ぼす軍事費を増やそうが減らそうが、食糧安保のための費用を減らそうが増やそうが、どうでもよかった。「後は野となれ山となれ」という、破れかぶれの選挙だった。

 これは、国民を愚民化する政治である。こうした政治が続けば、明日の日本に夢はない。

 

  • 各政党は立ち位置を明示せよ

 明日の夢は2つしかない。1つは、農業者や労働者や中小業者など、働く人の夢である。もう1つは、生産手段を私有していて、労働を搾取する資本家の夢である。

 前者を左におき、後者を右におけば、左翼と右翼になる。保守とリベラルなどという、いい加減なものではない。

 現実の政党は、その中間にある。そして、左側の位置にあるのか、右側の位置にあるのかで分かれる。いったい、各政党は、それぞれどの位置に立っているか。

 参院選は終わったが、少数与党のもとで、政治は今後も混沌とした状況が続くようだ。そうした中で、各政党は、その立ち位置を明確に示さねばならない。

 働く人たちの側に立つのか、資本家の側に立つのか。そうして、日本の輝かしい未来を、どう切り拓くのか。

.(2025.07.28 JAcom から転載)

 

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